勉強を教える、特に、家庭教師や個別教室だと、その教科に精通していなくても教えることがあります。特に大学受験の勉強を教える場合、ひととおり勉強していることですし、内容を教えるというよりは、目標とする学校に受かるための勉強には何が必要かを抽出して、それを入試までにきちんとこなせるようなスケジューリングと進行管理、また、過去の勉強の定着率を適宜確認しながら、入試本番までに、その学校に合格するだけの学力つけることがもっとも優先されるべきことになります。また、どれだけ楽して効率的に勉強できるかの方法論を、その子に合わせて見つけてあげるのが、もっとも大事な仕事だと思います。

子どもから質問を受けたとき、わからないところは、そのまま教えられたら教えますが、難しい問題については、どういう方法で教えた方がいいのか、それも考える必要があるので、いったん持ち帰らさせてもらうほうが良い場合もあります。その上で、きちんとその問題を吟味して、その子がわかりやすい効果的な教え方で次回に教えた方が、その子にとっても効果的です。特に大学受験、中学受験の対策中には、すぐに答えられない問題、そもそも解き方すらわからないといったことが多くあります。学校の先生は、知っていることを教えるのが主になりますが、入試対策を個別に教える場合は、その子、その子でレベルも違うし、解く問題も違う、やっていく方法も違うので、先生は、どちらかというとコーチのような役割を果たすことのほうが多いのです。

結局、勉強は、子供自身がやらなければならないことで、先生は、それをどう上手くできるかをサポートする仕事なのです。スポーツのアスリートのコーチが、そのアスリートより速く走れる必要はないのと同じ。そのくらい受験対策は、バリエーションに飛んでいるので、すぐに先生が質問に答えられるわけではないのです。そのところはご理解いただき、先生が質問に答えられなくてもビックリしないでください。